レッスンレポート: 居酒屋1週間コース
2024年6月16日
この記事は、5月に開催された1週間の居酒屋コースを受講したジョエルさんについて紹介しています。ジョエルさんはタイ出身で、現在はニューヨークで成功を収めているタイ料理店を運営しています。店のオーナーとして、シェフたちと共に新しいメニューやレシピの開発を監督しています。今回、新しいビジネスプロジェクトに取り組むため、1週間の居酒屋コースと1週間の焼き鳥コースを受講しました。このコースが、ジョエルさんの新しい挑戦に大きなインスピレーションを与えることを願っています。
第1日目:出汁と出汁を使った料理 まず、松丸インストラクターが伝統的な方法と時短の方法で、昆布と鰹節から出汁を取る方法をデモンストレーションします。
次に、この出汁を使って、ジョエルさんは味噌汁の作り方を学びます。味噌には大きく分けて、白味噌と赤味噌があります。ジョエルさんには白味噌の方が馴染みがあるそうですが、白味噌と赤味噌の違いを実際に味わって比較します。また、白味噌と赤味噌をブレンドして使うことも学びます。
その後、「おひたし」や「煮びたし」といった料理も作ります。おひたしは出汁を使って簡単に作れる一方、煮びたしは冷蔵庫で一晩寝かせることでより深い味わいになります。さらに、短時間で作れる「酢の物」も学びます。これらは健康的であり、特に夏の暑い時期にさっぱりとした食感が楽しめる料理です。
出汁のセッションでのメインイベントの一つは、出汁を使った「だし巻き卵」の作成です。松丸インストラクターのデモンストレーションに続き、ジョエルさんは初めて挑戦します。お箸の使い方がとても上手で、卵をきれいに巻き上げ、形の良い玉子焼きを作り上げます!自分はあまり料理経験がないと謙遜しながらも、松丸インストラクターとユキは彼の技術と潜在能力に感心しています。また、だし巻き卵は、出汁に一晩浸けてから電子レンジで温めて提供することもできることを学びます。
2日目:揚げ物料理 2日目は日本で人気の揚げ物料理を学びます。最初に取り上げるのは「唐揚げ」です。重要なポイントは、鶏肉を調味料でマリネし、二度揚げすること、そして完璧に揚がったタイミングを見極めることです。
続いて、次の料理は「揚げ出し豆腐」です。Joelさんは、軽く揚げた豆腐を、だしで味付けしたものと、濃いだしソースをかけたものを比較して味わいます。その後、大葉(オオバ)、ナス、エビを使った天ぷらを作る練習を行います。その後、次に「とんかつ」(豚のパン粉をつけて揚げたカツ)と「串揚げ」(竹串に刺した揚げ物)を揚げる練習を行います。このセッションを通じて、食材をカリッと揚げるための効果的な準備方法を学びます。
セッションの後、松丸インストラクターは日本の包丁のメンテナンス方法についての追加講義を行います。Joelさんは当校で日本製の包丁セットを購入しており、インストラクターは包丁の研ぎ方だけでなく、砥石の手入れ方法も教えます。定期的なメンテナンスを行うことで、これらの包丁は長年にわたって使用できるようになります。Joelさんがこれらの包丁を長く使い続けてくれることを願っています。
3日目: ご飯と麺料理 3日目は主にご飯を使った料理に焦点を当て、握り飯、お茶漬け、うどん、焼きそばを学びます。Joelさんは3種類の握り飯作りを練習します。1つ目は具なしの塩むすび、2つ目は佃煮を使ったもの、3つ目は昆布、鰹節、マヨネーズを加えたご飯を使った握り飯です。
Joelさんはうどんにも強い関心を示します。冷たいだしで作った冷やしうどんを初めて体験し、特に夏にはさっぱりとした味わいが気に入りました。次に、温かい「きつねうどん」(揚げ豆腐のせうどん)や、卵を加えたもの、さらには「たぬきうどん」(天かすをのせたうどん)を試します。それに加えて、松丸インストラクターはさまざまなうどん用のスープを用意し、濃い色、薄い色、濃い味、軽い味のものなど、Joelさんが自分に合ったうどんスープの種類を発見できるようサポートします。このセッションを通じて、Joelさんはうどんに合うさまざまなスープとトッピングを学びます。
日本酒との食べ合わせ いよいよ、酒の料理ペアリングセッションが始まります。酒の専門家であるユキインストラクターの指導のもと、Joelさんはまず「純米酒」(米と酵母だけで作られた酒)、「純米吟醸酒」(アルコールを加えず、米粒を最低60%精米した酒)、そして「純米大吟醸酒」(アルコールを加えず、米粒を最低50%精米した酒)を試飲し、それぞれの違いを学びます。その後、それぞれの酒を使って、軽い味付けの前菜、生魚、揚げ牡蠣といった料理とペアリングしてみます。このセッションでJoelさんは、軽い味わいの前菜には一部の酒がよく合い、脂っこい料理や強い味の料理には別の酒が合うことを発見し、非常に喜んでいます。
4日目:刺身 + 任意の魚の捌き実習 4日目は刺身(生魚のスライス)の学習が予定されていますが、Joelさんの希望で、魚の捌き実習も行いました。まず、インストラクターの松丸がアジ(鯵)とキンメ(金目鯛)の捌き方をデモンストレーションします。インストラクターはイラストを使いながら、ステップバイステップで解説し、Joelさんの理解を深めます。また、魚を長期間新鮮に保つための衛生管理や、包丁技術についても大切な知識と秘訣を伝授しました。インストラクターの指導のおかげで、Joelさんは魚を見事に捌くことができ、これが初めての経験だとは信じがたいほどでした。
その後、Joelさんは自分で捌いた魚を使って刺身を作ります。松丸インストラクターは、刺身を美しく切るための包丁技術や盛り付けのテクニックだけでなく、刺身をお客様に提供する際の基本的な原則、そしてそれが日本の伝統的な食文化に根ざしていることを教えます。これらの技術を習得することはもちろん、Joelさんが日本文化への理解を深めるきっかけとなることを願っています。
最終日は、焼き料理から始まります。Joelさんは前日に捌いた魚を使い、塩を振って焼きます。また、甘い白味噌で漬け込んだ鶏肉の「西京焼き」作りにも挑戦します。由紀インストラクターの指導のもと、Joelさんは魚や鶏肉を焦がさずにパリッとした食感を得るための焼き技術を学びます。
特別講義:「明太子パスタ」 Joelさんは明太子パスタが大好きで、自分のレストランで提供したいと考えています。そのため、松丸インストラクターがアメリカで手に入りやすい食材を使った特別レシピを即興で考案します。オリジナルのレシピでは手に入りにくい食材があるため、このアダプテーションにより、Joelさんは地元で調達可能な材料で料理を作れるようになります。味わった後、Joelさんは「もしこれがレストランで出されたら、毎日でも食べたい!」と大興奮で話していました。
フィナーレ 最終日の目標は、インストラクターのサポートを受けながら、通常のお客様に向けて多彩なコース料理を提供することです。Joelさんは、今週学んだ料理の中から、以下の料理を選んで提供することにしました:天ぷら(ナス)、酢の物(ミョウガときゅうりの酢漬け)、だし巻き卵(だしで味付けした日本風の卵焼き)、揚げ出し豆腐(だしを効かせた軽く揚げた豆腐)、串揚げ(竹串に刺した揚げ物)、塩焼きの魚、お造り(生魚の薄切り)、お茶漬け(だしで浸したご飯)。お客様の前では少し緊張している様子で、練習時はスムーズに作れていたはずのだし巻き卵に苦戦しますが、いざ提供が始まると、Joelさんは1週間のコースで学んだことを全て活かそうと努力します。レストランはその夜満席でしたが、インストラクターの指導とサポートを受けながら、予定していたすべての料理を無事に提供することができ、その献身に感謝の気持ちを抱いているようです。彼は無事に役割を終えたことに大変満足そうでした!
これでJoelさんの1週間の居酒屋コースについての内容は終了です。居酒屋と焼鳥の両コースにご参加いただき、心から感謝申し上げます。料理だけでなく、日本の食文化についても豊富な知識を得ていただけたことと思います。学んだことをアメリカに持ち帰り、チームと共有していただけることを期待しています。新しいビジネスでのご成功を心よりお祈り申し上げ、今後、日本またはニューヨークでお会いできることを楽しみにしています!